日本学術振興会特別研究員(DC1)およびフランス社会科学高等研究院(EHESS)における研究滞在を経て、2023年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。その後、日本学術振興会特別研究員(PD)および同志社大学特別研究員を経て、2024年10月より神戸大学大学院人文学研究科講師。
社会学、ポストコロニアル研究、地域研究(フランス)
フランスで生まれ育った北アフリカ系のイスラーム教徒を対象とした質的調査研究。植民地主義やレイシズム、家父長制、階級などの複数の抑圧構造の結びつきに関心がある。
「ジェンダー化されたイスラモフォビアとムスリム女性たちの運動」、伊達聖伸・見原礼子編『イスラームの定着と葛藤』(勁草書房、2024年3月)
「フランスの『郊外暴動』に終わりはあるのか?:人種差別、社会的格差と階級の衝突」、『世界』(973巻、2023年8月)
「2つのオリエンタリズム:現代フランスのイスラモフォビアと方法論的オリエンタリズム」、平井晶子・中島満大・中里英樹・森本一彦・落合恵美子編『〈わたし〉から始まる社会学:家族とジェンダーから歴史,そして世界へ』有斐閣、(2023年3月)
「ミクロな観点における同化とポストコロニアル性:フランスの高学歴なムスリム女性の語りから」、『ソシオロジ』(67巻1号、2022年6月)
昨年春の博士論文の提出をもってフランスのミドルクラスのイスラーム教徒の日常に関する分析は一区切りとし、昨年度からは①イスラモフォビアを背景にフランスを脱出するムスリムに関する研究、②ポストコロニアル・フェミニズムの観点からムスリム女性の置かれた状況を分析する研究を進めています。②に関しては、今年3月に東京大学の伊達聖伸先生を中心とするグループの研究成果として『イスラームの定着と葛藤』が勁草書房から出版され、私の担当した章では、フランスのムスリム女性運動の展開を、主流派のフェミニズム組織との関係性に注目しながら分析しました。現在、こうしたテーマに関連して、欧州におけるムスリム排除の問題をジェンダーの視点から捉える重要文献の翻訳出版の準備を行っています。
また、今年は心機一転、初めてフランス以外の国でも調査を開始しました。知人も一人もおらず、アポイントメントも何もない状態でフィリピンに渡航したのですが、意外と調査がうまくいって一安心しています。フィリピンの事例についても、ミドルクラスの女性が直面するジェンダー暴力を主題として、そう遠くないうちに投稿論文を執筆する予定です。
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