オーストラリア留学中の佐藤さんからレポートが届きました(2月編)

現在、オーストラリアにワーキングホリデーとして留学中の文学部社会学専修の3回生、佐藤詩織さんから現地のレポートが届きました。以下、本文を掲載します。


オーストラリアの日々 2月編

はじめまして、文学部社会学専修3回生の佐藤詩織です。現在、学校を休学して、オーストラリアでワーキングホリデー中です。といっても普通のワーキングホリデーとは少し違って、オーストラリアの学校で日本語を教える代わりに、住宅と食事が無償で提供されるという現物支給型のワーホリです。本当は大学の交換留学がしたかったのですが、まったく方向性が定まらず、先延ばしにしているうちにいつの間にか募集が始まっていてせっかくのチャンスを逃してしまいました。留学を考えているみなさんには早め早めの行動をお勧めします。ここで留学をあきらめてもよかったのですが、一年間日本ではない国で暮らして、その国のことも、そして日本のことももっとよく知りたい!という思いは消せず(もっと邪な気持ちもたくさんあったけど)、このプログラムに応募して、晴れて2月から留学できることになりました。これから約9か月、ALTとして頑張っていこうと思っています。

私の働いている高校は、メルボルンから電車で約1時間半の、バララットという町にあるカトリックの女子高です。高校とはいったものの、オーストラリアではほとんどの高校がSecondary School と言って、中高一貫教育になっています。町自体が古い歴史を持っていることもあって学校の歴史が非常に長く、オーストラリア連邦の成立よりも前に作られました。校舎は石造りでまるでハリーポッターです。実際ハリーポッターのように、生徒はHouse Groupと呼ばれるグループに分かれていて、そのグループで活動したりします。これを聞いただけでも少しわくわくしますよね?

このように伝統のある学校ですが、決して堅苦しい雰囲気ではなく、むしろ生徒たちはいきいきとしていています。特にすごかったのがSwimming Carnival。日本でいう体育祭のようなものですが、オーストラリアはそれを水泳でやります。先ほど紹介したHouse Group対抗で、泳ぎだけでなく、最高学年12年生のシンクロ、応援なども順位決定の材料になります。みんな必死で、のけぞって大声を出しながら応援する姿は圧巻でした。

さて、普段はどのようなことをしているのかというと、主には高校生の授業に参加して授業補助をしたり、オーストラリア版センター試験で日本語の会話試験が必要な生徒に対して、マンツーマンの会話練習をしたりしています。日本語を理論立てて教えるのが難しい、という前に、英語でされる生徒の質問を理解することから大変です。生徒がせっかく積極的に聞いてくれても、私が聞き取れないせいで、“Umm…That’s OK.”とあきらめてしまう姿を見ると本当に悔しいし、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。しかし、私があまりに英語ができないので、私が日本語でしゃべってあげなきゃ!とやる気になってくれた生徒も何人かいて、英語ができなくていいこともあるもんだなあと、とても複雑な気持ちです。


しかし、そんな英語ポンコツキャラを貫いてきたわたしも徐々に英語が上達していて、生徒が聞いてきたことだけでなく、先生たちが職員室でおしゃべりしている話の内容も最近はわかるようになってきました。そしてフランス語の教師たちと席が隣なので、フランス語の能力も毎日なぜか向上しています。フランス語を聞き流しているだけなのに、フランス語が話せるようになっているので、スピードラーニングも少しは効果があるのだなと驚きました。そして下がっているのが日本語の能力です。生徒たちと日本語の練習をするのですが、わかりやすいようにいつも「やさしい日本語」でしゃべるように心がけています。だから、先生たちと話すときは特に会話がぎこちないです。私はオーストラリアにきてからよく、ああ、そうですか、というようになりました。これは会話文などによく出てくるからなのですが、たぶんOh, I see. を直訳しているのだと思います。

仕事が終われば自由時間です。毎日本当にのんびり過ごせていて、ストレスがとても少ないです。体調もよくなったし、ご飯の量も増えました。今は日本語の先生のおうちにホームステイ中で、3月から生徒の家に引っ越します。これからたくさんのホストファミリーができると思うとうれしくてなりません。


では、今月はこのあたりで。来月以降、もっと詳しい話を報告できればいいなと思っております。さようなら。