神戸大学大学院人文学研究科/文学部社会学研究室

神戸大学人文学研究科社会学研究室では、フィールドワークを通して現代社会の動態を調査分析し、社会構造と文化形象との相互関連という視点から、現代社会の諸問題、地域の固有文化・造形文化の変遷を巡る諸問題を国際的視野のもとに解明することにより、社会文化の形成に寄与できる人材を養成します。


イベント情報

文化交渉学ワークショップ「国際移民の時代と地域社会の変容」が開催されました

 11月17日、2023年度第2回文化交渉学ワークショップ「国際移民の時代と地域社会の変容―地域産業と外国人労働者を焦点に」が人文学研究科で開催されました。梅村麦生先生による紹介につづき、「中山間地域における持続可能なコミュニティの構築に向けた外国人技能実習生の受け入れ」と題して二階堂裕子先生(ノートルダム清心女子大学教授)にご講演いただきました。平井晶子先生、佐々木祐先生、中原寛子さん(神戸大学大学院農学研究科博士課程後期課程)、華爽さん(奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科博士後期課程)をはじめ学内外の参加者との活発な質疑応答が交わされました。


お知らせ

留学レポート グラーツでの生活編

 こんにちは、社会学専修3回生の新井ともよです。現在、オーストリア・グラーツ大学にて交換留学をしています。前回の留学レポート第一弾「グラーツ大学での学校生活」に続いて、今回は「グラーツでの生活」についてお伝えしていきます。

グラーツの町

 まずは町の基本情報から。グラーツはオーストリアの人口第2の都市で、シュタイアーマルク州の州都です。人口は約30万人ほど。「ウィーンに次ぐ第2の都市」と聞くと、日本での大阪ポジションを想像されるかもしれませんが、ウィーンと比べると、とても小さな町です。しかし、町自体が世界遺産に登録されていることもあり、小さくも町歩きが楽しい、美しい町ですよ。

 写真の中央左側に見える建物が市庁舎で、市庁舎を中心に旧市街地が広がっています。旧市街地から5分ほど離れたところに、オペラ座もあります。オーストリアの他の観光都市、ザルツブルクやインスブルックと比べても、そこまで観光地化されている訳ではないので、観光客の数も少ないです。

 そんなグラーツの一番の観光名所はこちら、Schlossbergにある時計台です。18世紀ごろまではこの丘に要塞としてお城が築かれていましたが、かの有名なナポレオンによって占領され、城砦や城壁は取り払われてしまいました。しかし、当時の市民がこの時計塔と鐘楼を買い取ったことで、この時計台は今でも時を刻み続けています。こうした歴史的背景からも、この時計台は地元の人にとって町を見守ってくれている存在。私もまだ6カ月しか住んでいませんが、時折時計台を見上げてはほっとするなど、愛着を持っています。

 次に、町の移動手段について紹介します。グラーツでの移動手段はずばり、路面電車であるトラムとバスで完結します!トラムもバスもおよそ10分間隔で走っているので、移動に困ることはありませんが、唯一の欠点と言うと、終電が早いことでしょうか。10時台になると、一気に本数が減ります。日本では、11時台でも町に人が溢れていますが、こちらでは夜遅くまで飲み会をしたり、、、といった文化があまりないのか、11時以降は町から人がいなくなります。あともう一つ、トラムとバスに文句を言わせていただくなら、「定時よりも早く出発しないで!」。定時よりも2分~3分ほど微妙に早く出発してしまうことが多いので、乗る予定のトラムを逃してガックリしたことが何度もあります。一方で、グラーツのトラムやバスに乗っていると微笑ましい場面を見ることもできます。それは運転手さん同士のちょっとしたおふざけ。例えば、トラム同士がすれ違う際、運転手さん同士で変顔をしたりしています。日本ではまず見ることがない光景なので、新鮮で面白いです。

 最後に、気になる町の治安ですがグラーツは極めて治安の良い町であると言えます。どのくらい治安が良いかというと、「スマホをポケットに入れていても取られないくらい」「深夜2時に一人で歩いていても危険を感じないくらい」の治安の良さです。もちろん、日本ではないので一定の注意は必要ですが、他のヨーロッパの都市に比べると、とても暮らしやすい町だと思います。

 いかがだったでしょうか。今回は「グラーツでの生活」についてお伝えしました。次回のテーマはまだ迷い中ですが、今回取り上げられなかった食事面について紹介できればと思います!